ちいさな物語 #064 転生! 異世界ブラック企業 目を覚ますといつもとは違うという感覚があった。「やった……ついに俺も異世界転生か!」佐藤隆司(35歳・社畜)は歓喜した。深夜残業の連続で倒れた記憶がある。ということは、とうとう神様が俺を異世界へ送ってくれたに違いない。なぜそう思うかというと... 2025.02.17 ちいさな物語異世界の話
SF #063 ゼロの先に なあ、お前も見ただろ? ほら、あのカウントダウンのことだよ。最初はハッカーによる悪質なイタズラだと思ったんだ。電光掲示板、スマホの画面、時計のディスプレイ、駅の案内板……ありとあらゆる場所に、突如として数字が現れた。しかも、その数字が世界中... 2025.02.16 ちいさな物語SF
ちいさな物語 #062 回覧板の掟 「回覧板が来たら、すぐに回してくださいね」このマンションに引っ越してきたばかりの俺に、管理人は念を押すように言った。何度も、何度も。まるで、それが最も重要なルールであるかのように。よっぽどマナーのない人がいるんだろうかと少し不安になる。しか... 2025.02.16 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #061 異界の晩餐 気がついたら、俺は見知らぬ城の入口に立っていた。城の入口なんて行ったことはないけど、アニメやゲームなんかで見たのに似てる。見上げんばかりの扉に圧倒された。歩き出すと進むべき廊下の灯りが順番にともって導いてくれる。なんかこれ、ゲームみたいでか... 2025.02.15 ちいさな物語異世界の話
ちいさな物語 #060 無職! 桃太郎、行きます!! 「桃太郎になってくれませんか?」知らない男に、いきなりそう頼まれたのは、俺が会社をクビになり、ヤケ酒をあおっていた夜のことだった。「は?」「いや、だから。鬼を退治してほしいんです。報酬は……1000万円でどうでしょう」1000万か……。悪く... 2025.02.15 ちいさな物語変な話
ちいさな物語 #059 チョコと手錠 いや、あのね、聞いてほしいんだけど——こんなの、普通ないでしょ!?バレンタインだったのよ。女子としては一世一代の大勝負の日なわけ。――で、その前に私、人生で初めて一目惚れしたの。駅でさ、偶然見かけたイケメン。長身で、黒髪がさらっとしてて、ス... 2025.02.14 ちいさな物語変な話
ちいさな物語 #058 同じ場所で 2月8日駅近くの細い路地を歩いていたら、急に飛び出してきた人とぶつかってしまった。思わず「わぁ!」と叫んでしまい、相手も驚いた顔をしていた。見れば、同年代くらいの女性で、何かを探しているようだった。「すみません!」と謝られて、俺も「こちらこ... 2025.02.14 ちいさな物語恋愛
ちいさな物語 #057 甘い取引 バレンタイン前夜のことだ。コンビニ帰りの俺は、妙なものを拾った。小さな包み紙に包まれた、一粒のチョコレート。金色のリボンがついていて、高級そうに見える。「落とし物か?」そう思ったが、辺りを見回しても人影はない。もちろん拾って食べようとしたわ... 2025.02.13 ちいさな物語不思議な話
ちいさな物語 #056 幻のチョコレート店 「こんなところにチョコレート屋なんてあったっけ?」仕事帰り、駅前を歩いていると、小さな店が目に留まった。深い紺色の外壁に、金色の文字で「chocolaterie Noire」と書かれている。シックで落ち着いた雰囲気があり、妙に惹かれる。店内... 2025.02.13 ちいさな物語不思議な話
ちいさな物語 #055 インフルエンサー・こた🐶 朝起きてスマホを開いた僕は、思わず叫んだ。「えっ……何これ!?」SNSのタイムラインに僕の超絶恥ずかしい写真が投稿されていた。ボサボサ頭でヨダレを垂らして寝ている姿、パンツ一丁で冷蔵庫を漁る姿、変なポーズで踊っている動画まで——。しかも投稿... 2025.02.12 ちいさな物語変な話