イヤな話

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#088 並ばない女

コンビニのレジに並んでいたときだった。俺の前には三人、後ろにも二人。昼時だから多少待つのは仕方ない。そう思っていた矢先——横から女がスッと入り込んだ。彼女は一瞬の迷いもなく、まるでそこが自分の当然の場所であるかのように、俺の前に立った。「お...
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#042 派遣会社からのご案内

1日目今日から研修が始まった。通知が来たのは一週間前、差出人は登録した派遣会社からだった。無職の俺は断る勇気もなく、指定されたバスに乗り込む。到着したのは山奥の施設。簡素な建物と、ひんやりとした空気が迎えてくれた。初日の課題は「水をバケツで...
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#034 赤信号の横断歩道

大通りに面した横断歩道。車の流れが激しく、歩行者信号が赤から変わる気配はまだない。そんな中、スーツ姿の男がさりげなく前に出た。何気ない動作のように見えるが、視線はスマホに夢中の女性に向けられている。彼女は信号が赤だと確認せず、男の動きに釣ら...