ちいさな物語 #037 焼けないケーキ 俺の名前は翔太。普通の会社員だったが、ある日思いつきでYouTubeを始めた。「素人がケーキを焼く」という企画だ。料理経験ゼロの俺が悪戦苦闘する様子がウケるんじゃないか、と思ったわけだ。最初の動画は、予想以上にひどかった。卵を割ろうとしたら... 2025.02.03 ちいさな物語変な話
SF #036 終末のハイウェイ 気がついたら、世界は終わっていた。地震があったのか、噴火があったのか、核爆弾でも飛来したのか、一瞬にして疫病が流行ったのか、それらが同時多発的に起こったのか、報道機関も壊滅してしまったので厳密な原因は分からない。ただ、都市は瓦礫と化し、人影... 2025.02.03 SFちいさな物語不思議な話
ちいさな物語 #035 大統領たちの戦場 人類はようやく「戦争」という概念を進化させた。それは命を奪う血なまぐさい戦場ではなく、世界中のゲーマーが戦場となる仮想空間で戦う「デジタルウォー」だった。勝敗によって国同士の領土や資源が動く仕組みで、リアルの犠牲者はゼロ。だが、それが平和と... 2025.02.02 ちいさな物語変な話
イヤな話 #034 赤信号の横断歩道 大通りに面した横断歩道。車の流れが激しく、歩行者信号が赤から変わる気配はまだない。そんな中、スーツ姿の男がさりげなく前に出た。何気ない動作のように見えるが、視線はスマホに夢中の女性に向けられている。彼女は信号が赤だと確認せず、男の動きに釣ら... 2025.02.02 イヤな話ちいさな物語
ちいさな物語 #033 実況! お弁当戦線 午前の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると、俺はすかさずカバンの中の弁当箱を取り出した。「さあ、ついにランチタイムのゴングが鳴りました!」心の中で歓喜の声をあげる。俺はひとり興奮しながら机の上に弁当を広げた。今日は母が作ってくれた手作り弁... 2025.02.01 ちいさな物語変な話
SF #032 星間トンネル 私は長いことこの旅を夢見ていた。地球から遠く離れた惑星シリウスBまで、一気にワープする宇宙旅行。だが、ただのワープではない。途中には「星間トンネル」と呼ばれる特別な空間があるのだ。星間トンネルとは、宇宙の裂け目を利用して通常の空間とは異なる... 2025.02.01 SFちいさな物語