ちいさな物語 #457 傘に落ちるもの あれは二年前の秋頃だったと思う。夜勤明けで疲れていた俺は、しとしとと降る雨の中を、傘を差して歩いて帰っていたんだ。最初は、雨音に紛れて気のせいだと思っていたが、上から「ボタッ」という重たい音がした気がした。雨の粒が落ちる音とは違う。柔らかく... 2025.10.02 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #456 変わらぬ先生 うちの担任のことを話そうか。ぱっと見は二十代後半、生徒にも人気の若い先生だ。笑顔も明るく、授業もわかりやすい。女子は「イケメン」って騒ぎ、男子も気さくに話せる。まあ、完璧すぎるくらいの先生なんだよ。だけどある日、高齢の先生にぽろっと言われた... 2025.10.01 ちいさな物語不思議な話
ちいさな物語 #455 コスプレ異世界転生記 いや、聞いてくれよ。俺さ、まさか本当に異世界転生するとは思ってなかったんだ。トラックに轢かれて気づいたら光に包まれて、あのベタな展開だ。「次に目を覚ましたら魔法と剣の世界で無双するんだろうな」って、頭の片隅で期待してたよ。――で、目を開けた... 2025.10.01 ちいさな物語異世界の話