ちいさな物語 #411 ニンゲンモドキ育成ゲーム いや、ちょっと変な話をするけどさ、聞いてくれるか?ほら、昔からあるだろ、「育成ゲーム」ってやつ。卵からモンスターが孵ったり、仮想のペットを世話したりするあれだ。俺も子どもの頃にハマってな、学校でこっそりやっては先生に取り上げられたもんだよ。... 2025.09.08 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #408 隣のデスクの男 「え、なんか……全然知らないやつが僕の席のとなりにいるんだけど?」これが、僕が最初に思ったことだった。月曜日の朝。カフェインとエナジードリンクのダブルパンチで無理やり目を開かせて出社した。いつものように自分のデスクに座ろうとしたとき、違和感... 2025.09.07 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #407 メタモルフィット 「……誰だ、これ」全身鏡の前に立ち、浩介は息をのんだ。鏡の中の男は確かに自分のはずだった。だが、以前の自分とはまるで別人のようだ。二重あごは消え、ぽっこり出ていた腹は平らになった。顔の輪郭は鋭く、目つきまで変わった気がする。ずっと履けなかっ... 2025.09.06 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #398 光の怪談 普通、怪談といえば暗い夜道とか、薄暗い廃墟とかを想像するだろ?でもな、俺が体験したのは逆だったんだ。「明るすぎる場所」ってのが、いちばん怖かったんだよ。あれは学生のころ。友人たちと夜の街をふらついていて、ひとりで帰ることになった。夜十時を過... 2025.09.02 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #390 ソロキャンプの怪 動画配信者のKは、最近急激に人気を伸ばしていた。彼のスタイルはソロキャンプの生配信。焚き火を起こし、料理を作り、視聴者のコメントに答えながら一日を過ごすというだけのシンプルなものだ。「はいどうも、今日は山奥の渓谷沿いでソロキャンでーす」カメ... 2025.08.27 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #389 親ガチャアプリ 「笑った。マジであるんだ、こういうの」僕はその夜、画面を見ながら思わず声を漏らした。スマホにインストールされたばかりのアプリ。その名も――〈親ガチャ〉。SNSで誰かが冗談半分に貼ったリンクを踏んだのが始まりだった。普通なら怪しい広告か詐欺サ... 2025.08.27 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #385 日記に書いた昨日 なんでこんな状態になっているかって? とりあえず話を聞いてよ。俺さ、昔から日記をつける習慣があったんだよ。――といっても、几帳面な性格とかそういうんじゃなくて、単純に数年後とかに見たらおもしろいし、備忘録になるかな、くらいの感覚なんだ。夜寝... 2025.08.25 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #381 消えた友達の話 これから話すのは、俺が小学校5年生のときに体験した、ちょっと不思議で気味の悪い話だ。別に作り話なんかじゃなくて、本当にあったこと――なんだけど、信じてもらえないだろうな。まあ、とりあえず聞いてよ。その日は、クラスのみんなが楽しみにしていた遠... 2025.08.21 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #375 四人目のわたし 夏休みの終わり、私たち小学生四人は、友達の家に集まってお泊まり会をしていた。部屋の床に敷かれたふかふかのクッション、コンビニで買ったお菓子、ポテトチップスの袋、ジュースのペットボトルが散らばる。夏休みだからこそ許される贅沢。いつもなら恋バナ... 2025.08.18 ちいさな物語怖い話
ちいさな物語 #371 親切の記憶 すべては仕事帰りの夜だった。今日は妙に体が重かった。コンビニでビールでも買って帰ろうか――そう考えながら、駅から家までの道を歩く。湿った夜風が頬にまとわりつき、足取りは自然と遅くなっていた。そのとき、通りの向こうで何かが動いた。薄暗い街灯の... 2025.08.12 ちいさな物語怖い話