ちいさな物語 #033 実況! お弁当戦線 午前の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると、俺はすかさずカバンの中の弁当箱を取り出した。「さあ、ついにランチタイムのゴングが鳴りました!」心の中で歓喜の声をあげる。俺はひとり興奮しながら机の上に弁当を広げた。今日は母が作ってくれた手作り弁... 2025.02.01 ちいさな物語変な話
ちいさな物語 #026 中山道の旅 「おい、そこの若者!」と呼び止められたのは、中山道の宿場を抜けて少しした頃だった。振り向くと、一人の侍風の男が立っていた。いや、侍風というのも妙な表現だが、何せその格好が奇妙だったのだ。立派な刀を腰に差しているものの、着物は古びて裾がほつれ... 2025.01.29 ちいさな物語変な話
ちいさな物語 #023 瞳をとじて 昨夜は気の置けない友人たちと宅飲み鍋パーティだった。しかし気がつけばソファで寝ていて、僕の顔には見事なまでの「芸術」が施されている。左頬にはへのへのもへじの何やら卑猥なマーク。右頬には萌え絵風の女の子。おでこには「休暇中」と大きく書かれてい... 2025.01.27 ちいさな物語変な話
ちいさな物語 #012 パワハラ課長とカブトムシ 最近、うちの課の空気は最悪だ。パワハラが絶えない課長のせいで、社員のやる気は地に落ちている。変なセミナーで感化されて、全員変な体操をさせられたり、A4サイズのコピー用紙いっぱいになるまで社訓を繰り返し書かせたり、査定をチラつかせてやりたい放... 2025.01.22 ちいさな物語変な話
ちいさな物語 #004 密林研修 会社の研修で訪れたアマゾンの密林。研修担当者は笑顔で言った。「これから君たちには、自己成長のためのサバイバルを体験してもらう!」社員たちは軽いアウトドア体験だと思い込んでいた。だが、案内されたキャンプ地には食糧も水もなく、社用のノートパソコ... 2025.01.16 ちいさな物語変な話