歌人

SF

#471 宇宙海賊の長い一日

楽して稼ぐのが信条の宇宙海賊。無人の貨物船のはずが、おしゃべりAI相棒と、とんだ厄日に巻き込まれていく。
ちいさな物語

#470 師匠と歩いた五日間

「師匠、さっきも休憩しましたよね?」「うん、したね。でも、また休憩したくなったんだ」いつも通りの返答だった。私は深くため息をついた。私の師匠、フェルディナント・エイグルは、王都でも名の知れた魔法使いだ。いや、一応はそう呼ばれているが、実際は...
ちいさな物語

#469 私は神様

最初にその地図を描いたのは、退屈な授業中だった。私はノートの端に自分だけの地図を描いて遊んでいた。丸い半島、曲がりくねった川、中央に大きな山脈。なんとなく名前もつけた。「レムリア大陸」。それはその時間だけの遊びのはずだった。でも、次の日、ノ...
ちいさな物語

#468 作られた呪物

「なあ、呪いのアイテム作ろうぜ」昼休み、いきなりそんなことを言い出したのは友人の小田だった。「……お前、また変な動画でも見たのか?」「違うって! 『呪物作ってみた』系の動画が流行ってんの! それで俺らもやってみようぜって」変な動画、見てるじ...
ちいさな物語

#467 異世界転移! 防災リュックの中身がチート級で楽勝?

会社の防災訓練。たったそれだけのはずだった。なのに、今俺は剣を握りしめ、火を吐くトカゲみたいな魔物に囲まれている。——なぜこうなったのか。話せば長い。その朝、課長が妙に面倒くさそうに言った。「今日、防災訓練。各部署から一名ずつ参加……だそう...
ちいさな物語

#466 帽子の下にあるもの

最寄り駅から自宅までの道のりは、徒歩で五分。短い距離だが、最近どうしても気になることがあった。駅から自宅への道のちょうど真ん中辺り、交差点から三本目の電信柱——ちょうどその街灯の真下で必ず同じ人物とすれ違うのだ。深く帽子をかぶった黒いコート...
ちいさな物語

#465 あぜ道にいるもの

あれは、三年前の秋だった。その日は仕事帰りで、少し遠回りをして歩いていた。空気がひんやりして、稲穂の匂いが夜風に混じっていた。最寄り駅から自宅までの田んぼの間を抜ける道を歩いていたとき、視界の端にふわりと光るものが見えたんだ。最初はこんな季...
ちいさな物語

#464 神様の同居人

あの日、俺は神様に出会った。帰り道、駅前の公園で見かけたボロボロの男がいた。汚れた着物に裸足、白い髪は乱れ、目の焦点が合っていない。手には段ボールの札があり、こう書かれていた。「信仰をください」初めは、ただの浮浪者だと思った。だが、彼のいる...
ちいさな物語

#463 人気居酒屋の凋落

うちの居酒屋「いろは」は、三年前までは本当に人気店だった。駅前から少し離れた裏通りにある小さな店なのに、連日満席。店長の料理の腕が良いのはもちろん、どの客にもフレンドリーに話しかける人柄も評判だった。でも、なぜか客足が減っていった。常連客が...
ちいさな物語

#462 宇宙人たちの侵略会議

あれは、数年前のことだ。正直、信じてもらえるとは思っていない。けれど、僕はあの日、本当に「宇宙人の侵略会議」を聞いてしまったんだ。その晩、僕は会社の帰り道、公園のベンチに腰を下ろしてコンビニで買ったコーラを飲んでいた。一人でこうやってくつろ...