不思議な話

ちいさな物語

#188 呪われた黄金都市

「空からお金が降ればいいのに」少年の願いは叶い、街に黄金の雨が降りそそぐ。やがて、それは止まらなくなった。
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#186 風の市と少年

「まるで自分の影とだけ話しているみたいだった」市でよく見かける女は、彼をそう表現した。レアという名の少年が風の市に現れたのは、南の草原に乾いた季節風が吹きはじめる頃だった。市といっても常設の町ではない。風が止んだときだけ開かれる移動市で、誰...
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#185 妖精の願いごと

駅へと続く細い道を歩いていると、道端に潰れかけたペットボトルが転がっていた。普段なら気にも留めないけれど、その日はなぜか、そのボトルがやけに輝いて見えたのだ。妙に気になって、拾い上げてみる。ペットボトルの中を覗くと、小さな光が揺れていた。驚...
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#183 山のちからくらべ

向かい合う二つの山が、どちらが立派かと言い争う。霧を吐き、花を咲かせ——むかし語りのやさしい寓話。
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#182 千年の庭

この国では、生まれた家の庭にどんな木が生えているかで、人の力が決まる。紅葉の家系は火を扱い、柊の家系は霊を祓う。だがその力は、木の状態によって左右されるため、庭木の世話は代々の重要な務めだった。ユウトの家の庭には、樹齢千年を超えるかしの巨木...
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#180 大きな町と小さなドア

その町には、「小さすぎるドア」があった。壁のように広がる白い建物の中央に、子どもでも肩をすぼめなければ通れないほどの、異様に狭い扉。誰もその先を見たことがない。なぜなら、その町に暮らす人々は、みなとても大きかったからだ。大きい——それは体格...
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#178 君を観測するまで、君は存在しなかった

ぼくは、毎朝同じ夢を見る。灰色の霧が立ちこめる部屋。窓の外にはなにもない。ただ、光のようなものが、ぼんやりとそこにあるだけ。その部屋の中央に、彼女は座っている。黒髪の、透き通るような肌の、憂いを含んだ目をした少女。名前も、年齢も、なにもわか...
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#176 竜宮城の王子様

ねえ、信じてくれる?水族館で家族とはぐれて迷子になっただけなのに、わたし、竜宮城に行ったんだよ。うまく説明できるかわからないけど、あの日のこと、話してみるね。それは、家族で出かけた大きな水族館でのことだった。夏休みの中頃、すごく蒸し暑い日で...
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#175 わかりやすいご利益のある神社

ご利益が“メニュー表”で示された神社。10円から願いが買える、やたら話の通じる神様を訪ねてみると——。
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#171 空き缶の恩返し

その日は特に変わったこともなく、俺は学校からの帰り道を歩いていた。ふと足元を見ると、道端に潰れた空き缶が転がっている。ジュースの缶だ。誰かが適当に捨てたのだろう。「まったく、マナーがなってないな……」俺は溜息をつきながら、その缶を拾い、近く...