昔話・寓話

ちいさな物語

#126 桜の散る夜

昔々、と言うほどではないが、今よりずっと昔の話だ。ある村のはずれに、大きな桜の木があった。それは見事な一本桜で、春になると村中の者が見に行くほど美しかった。だが、不思議なことに、桜の散る夜にだけ、そこに娘が現れるという噂があった。その娘は、...
ちいさな物語

#121 行灯さま

お前さん、どうせ退屈してるだろう。待っている間、昔話でも聞かないかい?ほら、耳を貸してごらん。むかしむかし、ある嵐の夜の話さ。山奥で暮らす若者、名前はタロって言ったかな。そいつが猟に出て、帰り道で道に迷っちまった。風がビュウビュウ吹いて、木...
ちいさな物語

#113 満月の神渡し

昔々のとある山深い村の話だ。この村には、古くからの掟があった。「満月の夜、決して外へ出てはならぬ」子どもも大人も、この掟を守るのが当たり前だった。理由を尋ねると、年寄りたちは口を揃えて言った。「その夜は神が通る。もし鉢合わせすれば、二度と戻...
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#100 夜の王の花嫁

昔々、ある村にアヤという娘がいた。村には不思議な言い伝えがあった。森の奥で、夜にだけ咲く不思議な花があるという。その花を摘めば、一生幸せになれる。アヤはどうしても、その花を見てみたかった。「夜に森へ行くなんて危ないぞ」兄のヨシロウは止めたが...