じんとくる

ちいさな物語

#008 無限こたつ

家族四人で囲むこたつ。テーブルの上には湯気の立つ土鍋と、ごく普通だけど魅力的な具材が並んでいる。僕はデザートにと出してきたみかんを片手に、鍋が煮えるのを待っていた。「このこたつ、居心地いいよね」と妹もみかんをもてあぞびながら言った。僕も同意...
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#007 火星ステーションの事件

あれは確か、火星への2回目の赴任だったと思う。えーっと、地球の暦に換算すると……まあ、とにかく、あの時のことを話そう。火星ステーションに配属されてからというもの、日々の作業に追われていた。酸素濃度の管理、通信設備のメンテナンス、あとは食料の...
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#006 あなたのもとへ

あれはもう5年くらい前のことだ。最初にその手紙が届いたのは。ポストを開けたらちょっと古びた封筒が入っててさ。宛名が普通じゃなかったんだ。「いつかあなたのもとへ」ってだけ書いてある。差出人はなかった。中を開けると、薄い便箋に短い文章が書いてあ...