どんでん返し

ちいさな物語

#605 勤務先の異世界支社に飛ばされたけど質問ある?

あ、どうも。聞こえてます? こっちからだと通信、不安定なんですよね、基本。ええ、そうです。まさに僕が、例のスレを立てた本人ですよ。「勤務先の異世界支店に飛ばされたけど質問ある?」ってやつ。まさかあんなに伸びるとは思いませんでしたけど、まあ、...
SF

#584 銀河の果ての拾い物

銀嶺114年 4月6日宇宙船の旅は、地上で暮らす人々が夢見るような煌びやかな冒険ではない。少なくとも、貨物運搬船『龍宮号』の操縦席に座っている僕にとってはそうだ。窓の外に広がるのは、どこまでも続く漆黒の闇と、針で突いたような光の粒。初めて宇...
ちいさな物語

#474 トンネルの中

その子に出会ったのは、本当に偶然だった。あの日、僕は出張帰りで、地方のローカル線の無人駅に降りた。帰りのバスまで時間があって、少し散歩でもしようと駅前の坂道を登っていたときだ。人通りなんてまったくない。途中の古びた案内板には、「隣町へ通じる...
ちいさな物語

#454 超能力探偵の秘密

僕は名探偵の助手をしている。名前は伏せるけど、うちの探偵は業界でもそこそこ名が知られていて、依頼が絶えない。新聞やテレビにも取り上げられるくらいだから、まあ世間的には「名探偵様」ってことになってる。確かに頭はいい。知識量も豊富だし、観察眼も...
ちいさな物語

#411 レシート除霊師

「また拾ってる……」最初に見かけたのは、駅前のコンビニの前だった。スーツ姿の男が地面に落ちたレシートを、ひとつひとつ丁寧に拾い集めていたんだ。俺は最初、ただの奇行にしか思えなかった。もしくは何かしらの信念でゴミ拾いをしたい人なのか、くらいで...
ちいさな物語

#349 恋愛マスターの真実

「恋愛ってのはさ、駆け引きがすべてなんだよ」また始まった。友人同士で恋愛話に花を咲かせていると、必ずどこからともなく割り込んでくる男、篠原。自称・恋愛マスターの彼は、毎度のごとく偉そうな口調で恋愛を語り出すのだが、友人の誰もまともに耳を傾け...
SF

#297 逃げるマウスの秘密

「あれ?カーソルが……」深夜を過ぎた頃、僕はデスクに向かい、ふと画面に目をやった。すると、画面上のカーソルが、誰も触れていないはずのマウスに合わせて、突然ひとりでに動き始めたのだ。カーソルは不規則に震え、ゆっくりと画面の隅まで滑っていく。そ...
ちいさな物語

#292 始祖鳥の夜間飛行

それは、ひっそりと静まり返った夜の博物館で起きた。展示室の奥、始祖鳥の骨格標本が眠るガラスケースの前を、夜警の坂本は巡回していた。ほんの僅かな違和感――空気の流れがわずかに変わったかのような感覚が、彼の足を止めさせた。懐中電灯の光を向けると...
ちいさな物語

#277 黒幕のいる地下

大学生活にも慣れてきたある日、僕はちょっと変わった求人広告を見つけた。『黒幕募集:簡単なお仕事です。偉そうに座って、「ククク」と笑うだけ。全身を黒塗りにします。時給1200円。交通費支給』気になる。「黒幕」という響きと「時給1200円」のミ...
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#261 陰謀論カフェ

駅前の古びた雑居ビルの一階には、怪しいカフェがある。名前は「真実のカフェ」。マスターは口癖のように言った。「世界は陰謀で動いている!」いつも常連客たちはマスターの突拍子もない陰謀論を聞きながら、コーヒーを吹き出して爆笑するのが日課だ。例えば...