どんでん返し

SF

#297 逃げるマウスの秘密

「あれ?カーソルが……」深夜を過ぎた頃、僕はデスクに向かい、ふと画面に目をやった。すると、画面上のカーソルが、誰も触れていないはずのマウスに合わせて、突然ひとりでに動き始めたのだ。カーソルは不規則に震え、ゆっくりと画面の隅まで滑っていく。そ...
ちいさな物語

#292 始祖鳥の夜間飛行

それは、ひっそりと静まり返った夜の博物館で起きた。展示室の奥、始祖鳥の骨格標本が眠るガラスケースの前を、夜警の坂本は巡回していた。ほんの僅かな違和感――空気の流れがわずかに変わったかのような感覚が、彼の足を止めさせた。懐中電灯の光を向けると...
ちいさな物語

#277 黒幕のいる地下

大学生活にも慣れてきたある日、僕はちょっと変わった求人広告を見つけた。『黒幕募集:簡単なお仕事です。偉そうに座って、「ククク」と笑うだけ。全身を黒塗りにします。時給1200円。交通費支給』気になる。「黒幕」という響きと「時給1200円」のミ...
ちいさな物語

#261 陰謀論カフェ

駅前の古びた雑居ビルの一階には、怪しいカフェがある。名前は「真実のカフェ」。マスターは口癖のように言った。「世界は陰謀で動いている!」いつも常連客たちはマスターの突拍子もない陰謀論を聞きながら、コーヒーを吹き出して爆笑するのが日課だ。例えば...
ちいさな物語

#247 屋根裏の住人

古い一軒家に引っ越して三か月が経つ。風呂場の換気扇はうるさく、壁は薄く、キッチンの床はぎしぎしと鳴る。だが駅近で家賃も安い。築六十年の割にはお得な物件だと自分に言い聞かせていた。最初に違和感を覚えたのは、夜中の天井の向こうから聞こえる“足音...
SF

#166 隕石から生まれたもの

ある朝、庭に見知らぬ隕石が落ちていた。拳ほどの大きさのそれは、奇妙に脈動しており、気持ち悪いので触る気になれず放置していた。数日後、その気持ち悪い隕石が割れて何かが生まれてきた。それは透明でゼリー状のアメーバみたいなものだったが、僕がそれを...
ちいさな物語

#154 マルチ勧誘VS結婚詐欺師

ネットで出会ったその女性は、僕にとって理想のターゲットに思えた。実際にカフェで会ってみるとその予想は確信に変わる。美人だが地味な服装で、世間知らずそうなふわっとした笑顔。人当たりがよく、押しに弱そうだ。マルチ勧誘を生業にしてきた僕の直感が、...
ちいさな物語

#146 夢渡りさん

「昨日さ、不思議な夢を見たんだよね」カフェで向かい合った友人のミサキがそう話し始めた。「どんな夢?」僕が尋ねると、ミサキは興奮したように身を乗り出す。「なんか知らない街で、背の高い男に会ったんだけど。そいつが言うの、『君、またここに来たね』...
ちいさな物語

#122 祖父のビー玉

祖父の遺品から出てきた一粒のビー玉。のぞき込むと、そこには“もうひとりの自分”が映っていた。
ちいさな物語

#108 屋上は海の底

「屋上は海の底だよ」 彼女がそう言ったとき、僕は初めて自分の足元に意識を向けた。空に一番近いはずの場所で、足下に波打つ海の気配を感じるというのは、どこか奇妙な感じがした。僕の住むマンションには、奇妙な噂がある。『深夜0時を過ぎた頃、屋上に行...