ほっこり

ちいさな物語

#135 山の神様とおむすび畑

干ばつの村。腹を空かせて山をさまよう太助がたどり着いたのは、おむすびがぽこぽこ実る、不思議な畑だった。
ちいさな物語

#134 失敗したテレポート

休日の朝、シャワーを浴びようと浴室の扉を開けると、浴槽の中に見知らぬ男の上半身があった。「すみません、失敗しちゃいまして」男は申し訳なさそうに笑い、軽く頭を下げた。「え、えっ? 誰ですか!?」私は驚いて後ずさったが、男は穏やかな声で続けた。...
ちいさな物語

#133 ダンジョンの看板

「おい、本気で行くのか?」 背後からジークが声をかけてきた。 「他に方法がないだろ?」 俺たちは迷宮探索者、いわゆるダンジョン攻略のプロだ。だが、今回の依頼は異質だった。 「看板に書かれていることが必ず起こるダンジョン……か」 俺は目の前の...
SF

#132 一人きりの戦争

僕はこの星に来た最初の人間だった。惑星オルフィス。
この新しい星に、僕以外の人間はいない。
共に暮らす仲間は、すべてアンドロイドだった。僕は特に母親代わりのアンナや祖父のような距離で見守ってくれたエリックが大好きだった。彼らは機械だが、僕に...
ちいさな物語

#131 祠の管理人

どうしてこうなったのかは分からないが、僕は気が付けば、小さな祠の管理人になっていた。転生した先が伝説の勇者でもなく、かといって魔王でもなく、さして重要ではない祠の管理人だなんて、誰が想像できただろうか。もちろんチートも何もない。初めて目を覚...
ちいさな物語

#130 木蓮の歌

祖母の庭の木蓮は、咲く季節だけ歌っていた。祖母が逝ったその年、木蓮はもう、花をつけなかった。
ちいさな物語

#123 青い鳥

絵本から飛び出したように美しい青い鳥を、少年たちは捕まえてしまう。手のひらの中の奇跡を、どうすべきか。
ちいさな物語

#122 祖父のビー玉

祖父の遺品から出てきた一粒のビー玉。のぞき込むと、そこには“もうひとりの自分”が映っていた。
ちいさな物語

#120 城

あれは妙な一日だったよ、ホント。
朝起きたらいきなり城から来たとかいう使者が家の前に立っててさ、ものすごい丁寧な口調で「あなた様をお迎えにあがりました」って言うわけ。
俺、普通の庶民よ? 貴族でもないし、城に縁なんてあるわけないのにさ。人違...
イヤな話

#117 やさしすぎるブラック企業

「世界で一番やさしいブラック企業、か……」ユウマはスマホの画面を見つめながら呟いた。求人サイトで偶然見つけたその会社の募集要項には、こう書かれていた。・未経験歓迎! 学歴不問! やさしく指導します!・24時間365日勤務可能な方歓迎!・休日...