くすっと笑える

ちいさな物語

#274 闇の覚醒者、コンビニへ行く

最強の覚醒者である俺は、真夜中の闇に紛れ日常を厨二的に変換しつつ、コンビニを目指した。
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#271 風の旅路

「どうして私がこんな無計画な男と旅をする羽目になったのだろう」魔道士エルドは深いため息をついた。彼の前で陽気にリュートをかき鳴らしているのは、楽士のジーノ。天性の放浪者である彼は、旅する町々で歌と酒を楽しみながら自由気ままに生きている。一方...
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#270 イグアナ通学路

朝、目を覚ましてカーテンを開けると、いつものように巨大なイグアナが庭にいた。俺は制服に着替え、トーストをくわえながら外へ出る。イグアナはすでに俺を待っていた。「おはよう、グスタボ」そう、俺はこいつをグスタボと呼んでいる。名前の由来はよく覚え...
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#269 仮病師の奥義

「仮病は、他人に知られないことが最低限のマナーである」そう語るのは、倉持朔太郎くらもちさくたろう、三十七歳。自称・仮病師。正式な職業ではない。しかし、彼の中では仮病とは一種の“礼儀作法”として確立されていた。ズル休み――その言葉には嘘と怠慢...
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#268 バカ発見装置

「あなたは、バカです」街中に置かれた奇妙な機械が、無情な声でそう告げた。それはある日突然、世界各地に現れた『バカ発見装置』だった。使い方は単純だ。装置に手をかざすだけで、その人が『バカ』か『無知』か判定される。最初は誰もが冗談半分だった。人...
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#267 パンツ大戦争、午前二時

深夜のコンビニに、パンツを巡る奇妙な戦士たちが集結。誰も望んでいない伝説のバトルが幕を開ける。
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#265 呪殺、ついに違法化へ

長らく『呪殺』は違法ではなかった。それは単に『科学的に証明できない』という理由で、罪に問えないままだったからだ。それをいいことに呪術師たちは呪術を使っての暗殺や、痴話喧嘩レベルの簡単な報復を高額で請け負い、荒稼ぎをしていた。呪術師たちは表向...
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#263 窓越しの隣人

僕のデスクは窓際で、隣のビルのオフィスがよく見える。こちらも向こうもガラス張りのオフィスだから、嫌でも互いの様子が目に入った。はじめはなんだかプライバシーが侵害されているようで、いい気分ではなかった。しかし、ある日の午後、ふと目を上げると、...
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#261 陰謀論カフェ

駅前の古びた雑居ビルの一階には、怪しいカフェがある。名前は「真実のカフェ」。マスターは口癖のように言った。「世界は陰謀で動いている!」いつも常連客たちはマスターの突拍子もない陰謀論を聞きながら、コーヒーを吹き出して爆笑するのが日課だ。例えば...
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#259 ニーチェとフルーチェ

フルーチェを食べているときだけ、ニーチェが話しかけてくる。そんなおかしな現象に初めて気づいたのは、火曜日の午後だった。特に夢もなく、目標もない。大卒なら就職くらいできるだろうと淡々と課題をこなしている自分にとって、フルーチェは唯一の慰めだっ...