ぞわっとする

ちいさな物語

#333 不条理百貨店へようこそ

いつの間にか、その百貨店に足を踏み入れていた。目の前には巨大な吹き抜けが広がり、華やかな照明と軽やかな音楽が流れている。しかし、不思議なことに、入り口を通った記憶がまったくなかった。もしかしてこれは夢か?受付に立っていた店員に、ここがどんな...
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#331 隣の子供

新しく引っ越したアパートは、築年数こそ古いが部屋も綺麗で家賃も安かった。駅からも近く、周辺環境も申し分ない。「掘り出し物だな」そう思って喜んでいたのも束の間だった。引っ越して数日後、夜遅く仕事から帰り、ベッドに横たわった時のことだ。隣の部屋...
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#328 怪談の食卓

その街の路地裏には、看板のない小さな食堂があるという。この食堂の主人は、『怪談ハンター』と呼ばれる奇妙な男だ。「お客さん、怖い話はお好きですか?」店主は、訪れた客にいつもそんなふうに問いかけるらしい。――ある蒸し暑い夏の日、私は偶然その食堂...
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#324 幽霊の相手をするおじさんの話

「あの古びた商店街で見かけるおじさん、なんか普通じゃない気がしてさ。聞いてみたら、幽霊の相手が仕事だって言うんだよ」俺が大学生だった頃、地元に帰るたびに通る商店街があったんだ。昼間でも人通りが少なくて、どこか寂れた感じの場所だった。そこの片...
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#323 共鳴の檻

それは、たまたま見つけた小さなオンラインサロンだった。「ここなら、あなたの本当の声が届く」そんな文句に惹かれ、俺はそのサロンに足を踏み入れた。最初は、心地よかった。誰もが俺の考えに賛同し、意見を交換するたびに「わかる」「その通りだ」「もっと...
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#322 終わらない物語

夜が更けるほどに、私は本の世界に没頭していた。読み進めても読み進めても、物語は終わらない。奇妙な予感が胸をよぎる。古書店で偶然見つけたその本は、表紙に「物語は繰り返される」とだけ書かれていた。著者名も出版社も記されていない、不気味なほど無機...
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#321 赤い目の女

それは突然、小さな村を襲った。ある日、最初の犠牲者が出た。農作業中だった老夫婦の夫が、突然苦しみだし、その日の夜には息を引き取ったのだ。死因はわからず、村でただ一人の医師である私も首をかしげるばかりだった。ただ、死の間際に彼の体には不気味な...
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#319 夜の行商人

夜道を急いでいたら、「おひとついかが?」という声をかけられたんです。振り返ると、そこには異様な雰囲気の行商人が立っていました。月明かりの下で見るその姿は、年齢も性別もよく分からない。影のように痩せ細った体を黒いマントで覆い、顔には深くフード...
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#318 書庫の奥に眠るもの

その書庫は、図書館の地下深くにありました。一般公開されることはなく、特別な許可を得た研究者だけが入ることを許されている場所です。私はある研究のために、特別に入室を許可されていました。薄暗い部屋に並ぶ古い木製の棚は、黴のような匂いを漂わせ、時...
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#317 背後のブロッコリー

おかしいんだ。背後霊って、もっとこう不気味なものだろ?  でも俺に取り憑いてるのはブロッコリーなんだ。しかも妙に喋る。最初にその存在に気がついたのは、仕事帰りの電車の中だった。立っていると、首筋の辺りに奇妙な気配がする。振り返ってみても、誰...