コメディ

ちいさな物語

#416 取り扱い注意! 人間充電器

いや、これマジの話なんだけどさ、人間がスマホみたいに充電できるようになったんだよ。最初にニュースでその技術が紹介されたとき、さすがに冗談かと思った。「USB-Cで充電できます!」とかアナウンサーが言ってて、新しいギャグかな、と。でも、数年後...
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#400 罰ゲームで魔法少女になるオッサン

商店街の組合の飲み会で軽率なことを言ったのが、そもそもの間違いだった。「おしっ、負けたやつ、コスプレして販促な!」「いいですねっ! 商店街の売上もアップするかもです!」冗談で言ったはずのその言葉に若手連中もノリノリだ。そして始まる謎の賭け麻...
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#393 ストリート茶会! 粋がいきすぎる壮絶バトル

路地裏の円陣。マイクの代わりに茶杓と茶碗で繰り広げられる、粋を尽くした即興の茶道バトル。
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#386 変な新聞記事

何年か前のことだが、地方紙に載った小さな記事が、妙に記憶に残っているんだ。――以下、記事のスクラップブックから抜粋する。近隣住民同士の口論、原因は「プリン」をめぐる主張の相違八月十八日午前八時ごろ、市内在住のパート従業員Aさん(42)とパー...
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#378 走馬灯の編集はじめました

正直に言うと、自分が死ぬのがあんなにあっけないとは思わなかった。朝、餅を食べながらスマホで面白動画を見ていて、思いっきり笑った瞬間、餅が喉に詰まってそのまま──という間抜けな最期だった。さすが日本で最も人を殺している食べ物だ。まだそこそこ若...
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#358 コンビニ夜勤は満員御礼

「夜勤って静かで楽だよ」バイト初日にそう言い切った先輩の顔を思い出しながら、タケダはため息をついた。現在、午前0時3分。商店街の端っこにある我らがコンビニ「まるまるマート」。世の中のほとんどが寝静まるこの時間、なぜかこの店だけは常連たちのア...
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#343 独裁トースト

共和国の独裁者デメトリオス三世は、ある朝突然叫んだ。「トーストが国家転覆を狙っている!」誰もが耳を疑ったが、独裁者の命令は絶対である。即座に全国民にトースト禁止令が布告され、各家庭に配布されたパンの焼き加減確認官たちが、毎朝抜き打ちで各家庭...
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#339 真夏の犬はスイカを転がす

うだるような真夏の午後、庭で扇風機の風を浴びながらうたた寝をしていたら、飼い犬のチャッピーが唐突に言った。「なあ、夏といえばスイカだろ?」僕は目を開けるのも億劫だったので、そのまま曖昧に頷いた。するとチャッピーはさらに言葉を続ける。「じゃあ...
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#336 しゃべるネクタイ

「んんー、朝はやっぱりネクタイ締めるの、窮屈だな」出勤準備でまだぼんやりしている僕が、いつも通りネクタイを締めた瞬間だった。「ちょっと! もっと優しく締めろってば!」「ん?」幻聴かな? 疲れすぎだな、と思っていると、またもや首元からはっきり...
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#293 永遠のダンスホール

蛍光灯が切れかけた部屋で、明かりがチカチカと不規則に点滅していた。その青白く不安定な光は、部屋の中にいるすべての物を奇妙に歪ませて見せる。薄汚れた壁紙、古いソファー、積み重ねられた雑誌の束――どれもが陰鬱なリズムで瞬いていた。男はふと立ち上...