コメディ

ちいさな物語

#378 走馬灯の編集はじめました

正直に言うと、自分が死ぬのがあんなにあっけないとは思わなかった。朝、餅を食べながらスマホで面白動画を見ていて、思いっきり笑った瞬間、餅が喉に詰まってそのまま──という間抜けな最期だった。さすが日本で最も人を殺している食べ物だ。まだそこそこ若...
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#358 コンビニ夜勤は満員御礼

「夜勤って静かで楽だよ」バイト初日にそう言い切った先輩の顔を思い出しながら、タケダはため息をついた。現在、午前0時3分。商店街の端っこにある我らがコンビニ「まるまるマート」。世の中のほとんどが寝静まるこの時間、なぜかこの店だけは常連たちのア...
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#343 独裁トースト

共和国の独裁者デメトリオス三世は、ある朝突然叫んだ。「トーストが国家転覆を狙っている!」誰もが耳を疑ったが、独裁者の命令は絶対である。即座に全国民にトースト禁止令が布告され、各家庭に配布されたパンの焼き加減確認官たちが、毎朝抜き打ちで各家庭...
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#339 真夏の犬はスイカを転がす

うだるような真夏の午後、庭で扇風機の風を浴びながらうたた寝をしていたら、飼い犬のチャッピーが唐突に言った。「なあ、夏といえばスイカだろ?」僕は目を開けるのも億劫だったので、そのまま曖昧に頷いた。するとチャッピーはさらに言葉を続ける。「じゃあ...
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#336 しゃべるネクタイ

「んんー、朝はやっぱりネクタイ締めるの、窮屈だな」出勤準備でまだぼんやりしている僕が、いつも通りネクタイを締めた瞬間だった。「ちょっと! もっと優しく締めろってば!」「ん?」幻聴かな? 疲れすぎだな、と思っていると、またもや首元からはっきり...
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#293 永遠のダンスホール

蛍光灯が切れかけた部屋で、明かりがチカチカと不規則に点滅していた。その青白く不安定な光は、部屋の中にいるすべての物を奇妙に歪ませて見せる。薄汚れた壁紙、古いソファー、積み重ねられた雑誌の束――どれもが陰鬱なリズムで瞬いていた。男はふと立ち上...
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#287 洗面器の中の声

「うわっ、なんでお前、洗面器かぶってんだよ!」深夜のコンビニ、俺の目の前に現れたのは大学の友人・拓也だった。いつもは理論派で冷静沈着。課題提出前でもテンパることのない男が、堂々と洗面器を頭にかぶって突っ立っていた。「え? お前、何やってんの...
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#281 前の席のお客さま、くつろぎすぎです

乗り込んだ新幹線は、ほぼ満席だった。指定席に座って一息つくと、前の席に座った乗客がすぐさまリクライニングを倒した。「おっ、随分と豪快だな……」私は少し窮屈になったスペースで、心の中で呟いた。気になって目を上げると、前の席の乗客は窓際の席に悠...
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#277 黒幕のいる地下

大学生活にも慣れてきたある日、僕はちょっと変わった求人広告を見つけた。『黒幕募集:簡単なお仕事です。偉そうに座って、「ククク」と笑うだけ。全身を黒塗りにします。時給1200円。交通費支給』気になる。「黒幕」という響きと「時給1200円」のミ...
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#268 バカ発見装置

「あなたは、バカです」街中に置かれた奇妙な機械が、無情な声でそう告げた。それはある日突然、世界各地に現れた『バカ発見装置』だった。使い方は単純だ。装置に手をかざすだけで、その人が『バカ』か『無知』か判定される。最初は誰もが冗談半分だった。人...