ファンタジー

ちいさな物語

#061 異界の晩餐

気がついたら、俺は見知らぬ城の入口に立っていた。城の入口なんて行ったことはないけど、アニメやゲームなんかで見たのに似てる。見上げんばかりの扉に圧倒された。歩き出すと進むべき廊下の灯りが順番にともって導いてくれる。なんかこれ、ゲームみたいでか...
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#057 甘い取引

バレンタイン前夜のことだ。コンビニ帰りの俺は、妙なものを拾った。小さな包み紙に包まれた、一粒のチョコレート。金色のリボンがついていて、高級そうに見える。「落とし物か?」そう思ったが、辺りを見回しても人影はない。もちろん拾って食べようとしたわ...
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#048 パン窯の神様

焼き上がったパンに、怒った人の顔が浮かんでいた。家業のパン屋を継いだ男が出会った、窯の守り神の話。
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#047 魔法使いの処世術

魔法使いとして生計を立てるには、何より堅実であることが重要だ。無駄な戦いはしない。必要以上に目立たない。ギルドの依頼も、地味なものを選ぶのが一番いい。だから、私は基本的にモンスター退治の依頼は避けている。あれは脳筋戦士や派手好きな魔導士に任...
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#046 チャラ男ホストの人気の秘密

「いらっしゃいませ~♡ 今夜は姫のために俺を捧げちゃうよん♪」 銀座の高級ホストクラブ。テーブルに座るのは、やや疲れた様子の女性客。彼女の向かいで軽快にシャンパンを開けたのは、No.1ホスト・レイ。 「レイくん、相変わらずチャラいねぇ」 「...
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#038 除霊会社の専属霊媒師(見習い)

やる気ゼロの先輩と、事故物件専門の新米霊媒師。今日も“視えすぎる”部屋に踏み込む、ゆるくて頼れる除霊コンビ。
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#031 後宮の影に咲く花

後宮の暮らしは、美しく輝いているように見えるだろう。煌びやかな着物をまとった妃たちが宮殿を歩き、香が漂う中、静かに時が流れていく。けれど、そこに仕える下女の世界は、泥で濁った沼のようなものだ。誰かが足を取られて沈むのをみんな期待して待ってい...
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#029 勇者一行観察日記

まあ、こんなこと人にはあまり言えないけど、私はずっと勇者一行を尾行しているんだ。そう、あの有名な勇者だ。魔王討伐の旅に出たという噂の一団。その行く先をこっそり追いかけ、日々の日記に克明に記している。動機?それはまだ秘密だ。初日、彼らが出発す...
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#027 魔法道具屋の厄介な仕事

ガタが来ている店の扉がきしみ、ドアベルが鳴った。入ってきたのは、背の高い男だ。外套のフードを目深に被り、顔はほとんど見えない。でも、感じるんだよ、ただの人間じゃないってことを。「ここは、魔法道具をなんでも直せる店だと聞いた」低い声でそう言わ...
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#021 王様の遊び

王の奇妙な遊びが始まったのは、彼が即位して間もない頃だった。ある日突然、「民の暮らしを学ぶ」と言って城を出て行き、ボロボロの服をまとい市井を歩き回るようになった。家臣たちは「気分転換でしょう」と笑っていたが、王は次第にその遊びに没頭していっ...