ファンタジー

ちいさな物語

#094 銀色の親友

俺がそいつと出会ったのは、山道の途中だった。「おい、人間。少し手を貸せ」振り向くと、そこには二足歩行の狼がいた。いや、正確には獣人というやつだろう。狼の頭にたくましい体、しかしその毛並みは不思議なほど滑らかで、銀色に輝いていた。「……しゃべ...
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#076 回転寿司と回るおじさんの幽霊

回転寿司のレーンに、おじさんが流れていた。寿司の皿に挟まれながら、妙にリラックスした顔をしている。「おっ、トロが来た!」おじさんは隣の皿からトロをつまみ、満足げに頬張った。いや、何食ってんだ。ていうか、なぜ流れてる?俺は周囲を見渡した。だが...
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#074 神さまの憂鬱

町はずれの小さな神社に、野良猫がよく集まる場所があった。僕は昔からその猫たちを眺めるのが好きで、暇があればよく通っていた。今日も境内の石段に腰を下ろし、猫たちが気ままに歩き回るのを眺めていた。毛づくろいをする者、昼寝をする者、鳥を狙ってじっ...
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#070 焚火の夜の奇妙な話

旅の途中、俺は森の奥の開けた場所で焚火の光を見つけた。火を囲むのは四人の旅人。見た感じ知り合い同士というよりはたまたま居合わせただけのようだった。こういう場所では野営に適した場所を取り合うか、何かの縁と割り切るかのどちらかだ。しかしこんな森...
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#064 転生! 異世界ブラック企業

目を覚ますといつもとは違うという感覚があった。「やった……ついに俺も異世界転生か!」佐藤隆司(35歳・社畜)は歓喜した。深夜残業の連続で倒れた記憶がある。ということは、とうとう神様が俺を異世界へ送ってくれたに違いない。なぜそう思うかというと...
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#061 異界の晩餐

気がついたら、俺は見知らぬ城の入口に立っていた。城の入口なんて行ったことはないけど、アニメやゲームなんかで見たのに似てる。見上げんばかりの扉に圧倒された。歩き出すと進むべき廊下の灯りが順番にともって導いてくれる。なんかこれ、ゲームみたいでか...
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#057 甘い取引

バレンタイン前夜のことだ。コンビニ帰りの俺は、妙なものを拾った。小さな包み紙に包まれた、一粒のチョコレート。金色のリボンがついていて、高級そうに見える。「落とし物か?」そう思ったが、辺りを見回しても人影はない。もちろん拾って食べようとしたわ...
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#048 パン窯の神様

焼き上がったパンに、怒った人の顔が浮かんでいた。家業のパン屋を継いだ男が出会った、窯の守り神の話。
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#047 魔法使いの処世術

魔法使いとして生計を立てるには、何より堅実であることが重要だ。無駄な戦いはしない。必要以上に目立たない。ギルドの依頼も、地味なものを選ぶのが一番いい。だから、私は基本的にモンスター退治の依頼は避けている。あれは脳筋戦士や派手好きな魔導士に任...
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#046 チャラ男ホストの人気の秘密

「いらっしゃいませ~♡ 今夜は姫のために俺を捧げちゃうよん♪」 銀座の高級ホストクラブ。テーブルに座るのは、やや疲れた様子の女性客。彼女の向かいで軽快にシャンパンを開けたのは、No.1ホスト・レイ。 「レイくん、相変わらずチャラいねぇ」 「...