ファンタジー

ちいさな物語

#185 妖精の願いごと

駅へと続く細い道を歩いていると、道端に潰れかけたペットボトルが転がっていた。普段なら気にも留めないけれど、その日はなぜか、そのボトルがやけに輝いて見えたのだ。妙に気になって、拾い上げてみる。ペットボトルの中を覗くと、小さな光が揺れていた。驚...
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#176 竜宮城の王子様

ねえ、信じてくれる?水族館で家族とはぐれて迷子になっただけなのに、わたし、竜宮城に行ったんだよ。うまく説明できるかわからないけど、あの日のこと、話してみるね。それは、家族で出かけた大きな水族館でのことだった。夏休みの中頃、すごく蒸し暑い日で...
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#175 わかりやすいご利益のある神社

ご利益が“メニュー表”で示された神社。10円から願いが買える、やたら話の通じる神様を訪ねてみると——。
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#161 ボロアパートの異世界魔導士

まさかさ、冗談だと思うだろ?「異世界から魔導士が来る」なんて。ファンタジー小説かよって。そういうのもだいたいこっちが転生とかして向こう行くもんじゃないの?でもさ、来たんだよ。しかも、俺のボロアパートに、だ。俺はというと、地味なサラリーマン。...
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#160 骨笛

トウジがそれを見つけたのは、村の外れの川辺だった。白く乾いた骨が、土に半ば埋もれるようにして転がっていた。鹿の骨だろうか。それとも……。「変わった形だな」拾い上げてよく見ると、中が空洞になっていて、まるで笛のようだった。試しに息を吹き込むと...
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#153 魔王城の案内人

僕は魔王の城への案内人だ。物心ついたときには、すでにそういう『設定』だった。僕は城の入り口で冒険者を待ち、魔王のもとへ案内する。「ここから先は危険ですよ。引き返すなら今のうちです」と、声をかけても、大抵は聞いてもらえない。命を賭して、ここま...
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#148 王女は今日も最前列

我が国のプリンセス、アンジェリカ姫には大きな秘密があった。そう、彼女は熱烈な「輝きの聖騎団」の追っかけ――いや、輝きの聖騎団の熱心な信徒なのだ。今日も姫様は鏡の前で変装に余念がない。侍女が悲痛な声で叫ぶ。「姫様、お願いですから、推し活で城を...
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#139 我らNPC、ニセ勇者御一行様

「我々って、もしかして脇役ですか?」そんな疑惑が冒険の最中に浮上したのは、仲間たちが焚き火を囲んだある夜のことだった。一応、魔王討伐を掲げてはいるものの、勇者でも賢者でもない、戦士でもない。はたまた謎めいた美しき姫君でもなければ、魔王討伐を...
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#133 ダンジョンの看板

「おい、本気で行くのか?」 背後からジークが声をかけてきた。 「他に方法がないだろ?」 俺たちは迷宮探索者、いわゆるダンジョン攻略のプロだ。だが、今回の依頼は異質だった。 「看板に書かれていることが必ず起こるダンジョン……か」 俺は目の前の...
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#131 祠の管理人

どうしてこうなったのかは分からないが、僕は気が付けば、小さな祠の管理人になっていた。転生した先が伝説の勇者でもなく、かといって魔王でもなく、さして重要ではない祠の管理人だなんて、誰が想像できただろうか。もちろんチートも何もない。初めて目を覚...