ファンタジー

ちいさな物語

#474 トンネルの中

その子に出会ったのは、本当に偶然だった。あの日、僕は出張帰りで、地方のローカル線の無人駅に降りた。帰りのバスまで時間があって、少し散歩でもしようと駅前の坂道を登っていたときだ。人通りなんてまったくない。途中の古びた案内板には、「隣町へ通じる...
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#470 師匠と歩いた五日間

「師匠、さっきも休憩しましたよね?」「うん、したね。でも、また休憩したくなったんだ」いつも通りの返答だった。私は深くため息をついた。私の師匠、フェルディナント・エイグルは、王都でも名の知れた魔法使いだ。いや、一応はそう呼ばれているが、実際は...
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#469 私は神様

最初にその地図を描いたのは、退屈な授業中だった。私はノートの端に自分だけの地図を描いて遊んでいた。丸い半島、曲がりくねった川、中央に大きな山脈。なんとなく名前もつけた。「レムリア大陸」。それはその時間だけの遊びのはずだった。でも、次の日、ノ...
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#467 異世界転移! 防災リュックの中身がチート級で楽勝?

会社の防災訓練。たったそれだけのはずだった。なのに、今俺は剣を握りしめ、火を吐くトカゲみたいな魔物に囲まれている。——なぜこうなったのか。話せば長い。その朝、課長が妙に面倒くさそうに言った。「今日、防災訓練。各部署から一名ずつ参加……だそう...
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#464 神様の同居人

あの日、俺は神様に出会った。帰り道、駅前の公園で見かけたボロボロの男がいた。汚れた着物に裸足、白い髪は乱れ、目の焦点が合っていない。手には段ボールの札があり、こう書かれていた。「信仰をください」初めは、ただの浮浪者だと思った。だが、彼のいる...
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#455 コスプレ異世界転生記

いや、聞いてくれよ。俺さ、まさか本当に異世界転生するとは思ってなかったんだ。トラックに轢かれて気づいたら光に包まれて、あのベタな展開だ。「次に目を覚ましたら魔法と剣の世界で無双するんだろうな」って、頭の片隅で期待してたよ。――で、目を開けた...
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#450 幻の灯火亭

冒険者ギルドの中では有名な噂があるんだ。「幻の料理屋」ってやつさ。たどり着ける人間だけが味わえる、特別な料理を出す店。信じるやつはほとんどいない。けど、一部の古参冒険者や腕利きの連中が「一度だけ行ったことがある」なんて真顔で語るもんだから、...
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#442 異世界ニートの変わらぬ日々

あのとき確かに僕は死んだんです。過労死とかじゃなく、ただ家の階段を踏み外して頭を打った。ニュースにもならないような凡庸な死に方でした。そして気づけば光の中にいて、「あなたを異世界に転生させます」という声を聞いたんです。「よし来た!ついに僕の...
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#438 神様のお気に入り

それはある日の朝のことでした。目を覚ますと、枕元に白い封筒が置かれていたんです。僕は一人暮らしで、鍵もかけている。誰かが忍び込んだ気配もない。気味が悪く思いながら開けてみると、こう書かれていました。――おめでとうございます。あなたは「神様の...
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#436 不思議な旅の教訓

ひとつの不思議な旅の話を聞かせましょう。あるところに三人の冒険者がいました。けれども彼らは出会ったことがない。互いの顔も名も知らず、それどころか存在すら知りません。一番目の冒険者は、若い剣士でした。彼は古い文献に記された「封印の遺跡」を目指...