ぞわっとする

ちいさな物語

#064 転生! 異世界ブラック企業

目を覚ますといつもとは違うという感覚があった。「やった……ついに俺も異世界転生か!」佐藤隆司(35歳・社畜)は歓喜した。深夜残業の連続で倒れた記憶がある。ということは、とうとう神様が俺を異世界へ送ってくれたに違いない。なぜそう思うかというと...
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#062 回覧板の掟

「回覧板が来たら、すぐに回してくださいね」このマンションに引っ越してきたばかりの俺に、管理人は念を押すように言った。何度も、何度も。まるで、それが最も重要なルールであるかのように。よっぽどマナーのない人がいるんだろうかと少し不安になる。しか...
ちいさな物語

#061 異界の晩餐

気がついたら、俺は見知らぬ城の入口に立っていた。城の入口なんて行ったことはないけど、アニメやゲームなんかで見たのに似てる。見上げんばかりの扉に圧倒された。歩き出すと進むべき廊下の灯りが順番にともって導いてくれる。なんかこれ、ゲームみたいでか...
ちいさな物語

#054 隣の墓

祖母の墓参りに行くたび、気になることがあった。隣の墓が、いつも荒れている。雑草が生い茂り、墓石には鳥の糞がこびりついていた。供え物もなく、線香の燃えた跡すらない。「誰もお墓参りに来ないのかな……」私は何とはなしに、その墓の前にしゃがんだ。墓...
ちいさな物語

#053 ご機嫌メーター

「今日の機嫌、72点」 朝、目覚めてすぐに手首に巻いたデバイスで測る。その数値はアプリに自動で登録され公開される。それが今の社会の常識だった。 「お、今日は悪くないな」 数年前に開発された「ご機嫌メーター」。血圧計のように簡単にその日の機嫌...
ちいさな物語

#052 トイレットペーパーの妖精

深夜、ふと目が覚めた。喉が渇いたわけでもない。トイレに行きたいわけでもない。でも、何かの気配がする。布団からそっと抜け出し、廊下に出る。暗闇の中、トイレの扉の隙間から、ぼんやりとした光が漏れていた。誰かいる……?恐る恐るドアを開けた。そこに...
ちいさな物語

#049 深夜2時の怪奇配信

俺の名前は佐々木翔。登録者12人の弱小YouTuberだ。しかも、その12人のうち半分はリアルな知り合い。お付き合いとして登録してくれたものの、見てないのは分かっている。でも俺は、毎晩ひっそりと配信を続けていた。俺のチャンネル名は「翔のミッ...
イヤな話

#042 派遣会社からのご案内

1日目今日から研修が始まった。通知が来たのは一週間前、差出人は登録した派遣会社からだった。無職の俺は断る勇気もなく、指定されたバスに乗り込む。到着したのは山奥の施設。簡素な建物と、ひんやりとした空気が迎えてくれた。初日の課題は「水をバケツで...
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#038 除霊会社の専属霊媒師(見習い)

やる気ゼロの先輩と、事故物件専門の新米霊媒師。今日も“視えすぎる”部屋に踏み込む、ゆるくて頼れる除霊コンビ。
ちいさな物語

#035 大統領たちの戦場

人類はようやく「戦争」という概念を進化させた。それは命を奪う血なまぐさい戦場ではなく、世界中のゲーマーが戦場となる仮想空間で戦う「デジタルウォー」だった。勝敗によって国同士の領土や資源が動く仕組みで、リアルの犠牲者はゼロ。だが、それが平和と...