寝る前に

ちいさな物語

#074 神さまの憂鬱

町はずれの小さな神社に、野良猫がよく集まる場所があった。僕は昔からその猫たちを眺めるのが好きで、暇があればよく通っていた。今日も境内の石段に腰を下ろし、猫たちが気ままに歩き回るのを眺めていた。毛づくろいをする者、昼寝をする者、鳥を狙ってじっ...
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#072 頭の上に

誰もが俺の顔を見たあと、一瞬だけ視線を上にずらす。頭の上に、何かいる——でも、見た人はみんな、すぐに忘れる。
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#070 焚火の夜の奇妙な話

旅の途中、俺は森の奥の開けた場所で焚火の光を見つけた。火を囲むのは四人の旅人。見た感じ知り合い同士というよりはたまたま居合わせただけのようだった。こういう場所では野営に適した場所を取り合うか、何かの縁と割り切るかのどちらかだ。しかしこんな森...
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#069 不可解な裁判

気がつくと、見知らぬ法廷に立たされていた。罪状もわからないまま、黒ずくめの傍聴人がじっとこちらを見つめている。
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#068 鈴の音の山

おやおや、旅の方。そんなところで立ち止まって、どうしたんだい? ん? 鈴の音? 山道を歩いていたら、鈴の音が聞こえて追いかけきた? そりゃ、変な話だねぇ。ああ、もしかして……じゃあ、ちょっと歩きがてら、ここらの話をしてやろうか。このあたりに...
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#058 同じ場所で

2月8日駅近くの細い路地を歩いていたら、急に飛び出してきた人とぶつかってしまった。思わず「わぁ!」と叫んでしまい、相手も驚いた顔をしていた。見れば、同年代くらいの女性で、何かを探しているようだった。「すみません!」と謝られて、俺も「こちらこ...
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#056 幻のチョコレート店

「こんなところにチョコレート屋なんてあったっけ?」仕事帰り、駅前を歩いていると、小さな店が目に留まった。深い紺色の外壁に、金色の文字で「chocolaterie Noire」と書かれている。シックで落ち着いた雰囲気があり、妙に惹かれる。店内...
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#051 クイズ番組の向こう側

夕飯を食べ終え、ソファに寝転がりながら何となくテレビをつけた。画面には派手なネクタイの司会者と、三人の解答者たち。お決まりのクイズ番組だ。とりあえず人の声がしていた方が落ち着くのでテレビをつけたままにしてスマホをいじる。「第1問! 日本の首...
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#048 パン窯の神様

焼き上がったパンに、怒った人の顔が浮かんでいた。家業のパン屋を継いだ男が出会った、窯の守り神の話。
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#046 チャラ男ホストの人気の秘密

「いらっしゃいませ~♡ 今夜は姫のために俺を捧げちゃうよん♪」 銀座の高級ホストクラブ。テーブルに座るのは、やや疲れた様子の女性客。彼女の向かいで軽快にシャンパンを開けたのは、No.1ホスト・レイ。 「レイくん、相変わらずチャラいねぇ」 「...