ぞわっとする

イヤな話

#155 鳥型ドローンのもたらしたもの

これは、数年前の話なんだけどね――そう、あの頃はちょうどドローン作りにハマっててさ。よくある市販のドローンなんて面白くないから、自分でリアルな鳥そっくりの「リモコンバード」を作ったんだよ。羽ばたきも完全再現。知らない人が見たら、絶対本物と区...
ちいさな物語

#153 魔王城の案内人

僕は魔王の城への案内人だ。物心ついたときには、すでにそういう『設定』だった。僕は城の入り口で冒険者を待ち、魔王のもとへ案内する。「ここから先は危険ですよ。引き返すなら今のうちです」と、声をかけても、大抵は聞いてもらえない。命を賭して、ここま...
ちいさな物語

#150 山奥の鏡池

昔々、と言っても、それほど遠い昔ではない。ある村の山奥に、誰も近づこうとしない池があった。その池は「鏡池」と呼ばれ、どんなときも水面が静かで、まるで鏡のように景色を映すという。しかし、村人たちは口をそろえてこう言うのだ。「あの池の水には、絶...
ちいさな物語

#149 幽霊のお仕事

あんた、幽霊の仕事って聞いたことあるか? いや、本物の幽霊じゃない。あ、幽霊っちゃ幽霊なんだけど――説明が難しいな。とりあえず、俺は死んだ。でもそのまま成仏せず、心霊スポット専門の幽霊として働いてるっていったらわかるかな。仕事内容は簡単だ。...
イヤな話

#147 近すぎる叔母

「昨日、デート楽しかったんでしょ? あの人、いい感じ?」近所に住む叔母が不意に私に聞いてきた。驚きで喉が詰まった。確かに昨日、初めてのデートだったが、誰にも話していない。「どうしてそれを?」叔母はいたずらっぽく笑っている。「そんなのすぐわか...
ちいさな物語

#144 夜の司書

「また本が動いてる……」夜勤の警備員になって三日目、私は震えながら監視モニターを指差した。画面に映るのは閉館後の公共図書館。暗闇の中、棚から本が静かに抜け出し、ひとりでに別の場所へと動き始めている。誰もいないはずなのに。数日前から、この図書...
ちいさな物語

#143 どこまでも続く夜道で

少女は歩いていた。街灯の少ない夜道。足音だけが心細く響いていた。後ろを振り返っても、誰もいない。前に進んでも、何も変わらない。曲がり角を三回曲がれば元の道に戻るはず。けれど、五回でも十回でも、少女は同じ街角へ戻ってきた。「ここ……どこ?」自...
ちいさな物語

#138 芽吹く荷物

その荷物が届いたのは、雨の降る夕方だった。玄関の前に置かれた段ボール箱。宛名には僕の名前と住所が書かれていたが、差出人の欄はかすれて読めない。通販を頼んだ覚えはないが、もしかしたら家族の誰かが注文したものを仕送りとしてそのまま転送した、とか...
ちいさな物語

#136 事故物件専門不動産屋

「どんな事故物件でも取り扱っております」そう掲げた小さな不動産屋に、またひとり奇妙な客が現れた。細身で色白、瞳の奥に妙な光を宿した男。彼は入ってくるなり、まっすぐ店主・長谷川を見つめて言った。「事故物件、できるだけヤバいやつを」長谷川は慣れ...
ちいさな物語

#129 感染する怪談

「この話を聞いたら、お前も同じ目に遭うよ」そう言って、友人の中村は妙に真剣な顔をした。「……何の話だよ」「伝染する怪談さ」久しぶりに学生時代の友人たちと飲み会を開いた。帰り道、深夜の公園のベンチで、俺と中村は二人で酔いざましと称してぐだぐだ...